五十の手遊び 佐藤拓夫のライター徒然草

2022年5月に50歳になるのを機にエッセイをしたためるブログを始めました。10年続いたら祝杯をあげよう。

アート

売れない美術作品は「ゴミ」なのか?

「世の中の展覧会の85%はゴミ」 アートライターを志す身としては、ドキッとさせられる言葉だ。雑感を書いてみよう。 artnewsjapan.com 多くの場合、展覧会の印象の良し悪しは、展示作品の良し悪しに比例する。したがってジェリー・サルツが吐き捨てた言葉「…

ジュリアンと加守田、二つの巨星を益子でみる

栃木県益子町の益子陶芸美術館 で開催中の展覧会、「ジュリアン・ステアと加守田章二」(4月7日まで)を取材した。記事はいつものように美術展ナビに掲載していただいた。 artexhibition.jp 東京から車で2時間ほどというアクセスの良さもあり、益子の知名度…

光線画の世界に酔う展覧会を取材した

那珂川町馬頭広重美術館で開催中の「タイムスリップ明治-夭折の絵師井上安治の「東京」-」を取材した。記事は美術展ナビで読める。 artexhibition.jp 井上安治は、明治の浮世絵の大家・小林清親に15歳で弟子入りし、17歳で画工(浮世絵の下絵を描く職人)…

馬頭広重美術館の取材で思い知らされた《学芸員》という存在の影響力

栃木県那珂川町の馬頭広重美術館で開催している「旅する大津絵展」を取材し、学芸員から詳しくお話をうかがった。記事は美術展ナビで読める。 artexhibition.jp 驚いたのは、本館には学芸員が3名しかいないということ。年間8回ほどの企画展を開催すること…

才能の塊のような人間が若くして死ぬこと。その意味に思いを馳せる夏がまた来る

足利市立美術館の「顕神の夢 霊性の表現者 超越的なもののおとずれ」は、実に愉快な展覧会だった。8月17日まで開催しているので、近くに出かける人は見逃してはいけない。会場には不思議な空気が流れていた。神仏画や霊性を描いた作品を中心に展示している…

障害者とアートの関係を考える〜「もうひとつの美術館」が提唱するオルタナティブ・アートの地平

アウトサイダー・アートをメインに作品を収蔵・展示する日本初の美術館、「もうひとつの美術館」を取材した。記事はいつものように美術展ナビに載せていただいた。 artexhibition.jp 美術鑑賞に通じている人なら《アウトサイダー・アート》という言葉を見聞…

仕事と旅の曖昧な関係〜高崎出張の回想

仕事で高崎市にでかけた。高崎は群馬県の中南部にある都市だ。群馬県は私が暮らす栃木県のお隣であり、高崎もそれほど離れてはいないのだが、なぜかこれまで縁遠い街だった。今回、高崎市タワー美術館で開催中の展覧会「比べて見せます!日本画の魅力」を取…

「鑑真和上と下野薬師寺」展の取材で得た2つの気づき

過日、栃木県立博物館で開かれている特別展『鑑真和上と下野薬師寺~天下三戒壇でつながる信仰の場~』を取材した。記事はいつものように美術展ナビに載せていただいた。 artexhibition.jp この取材とレビュー記事の執筆の過程で、あらためて大切だなと思っ…

ピンホールの魔術師をたずねて

栃木県立美術館で開催中(9月4日まで)の『山中信夫回顧展』を取材した。記事は美術展ナビに載せていただいた。 artexhibition.jp 山中信夫は1948年に大阪で生まれ、1982年にアメリカで客死した写真家である。創作活動に打ち込んだ期間はわずか12年ほどだっ…

美術展ナビのコラム「図録開封の儀」を紹介したい

昨年12月から、読売新聞社が運営するアート情報メディア『美術展ナビ』に、美術展の図録を紹介する『図録開封の儀』というコラムを寄稿している。 美術展ナビは、国内の美術展情報を中心に、アート情報を幅広く紹介するサイト。美術展のレビューや著名人のコ…